皆さんこんにちは、DHIの酒井です。
DJI Matrice300RTK(M300RTK)のデモフライト。
前回は、広角・ズーム・赤外線カメラとレーザー距離計が搭載したZenmuse H20Tのお話まででした。
■ドローン測量
今回はいよいよメインのドローン測量になります。
現在、ドローン測量には写真測量とレーザー測量がありますが、M300RTKはZenmuse P1とL1を付け替えることによってどちらにも対応が可能です。
□写真測量
写真測量は写真を撮影した位置(ドローンに取り付けられたカメラ)を把握して写真の1ドットごとの位置を計算しドットごとに高低差を入れることによって3Dの点群データを作成します。
写真撮影した表面の部分で3Dデータを作成するので、地表や樹木の下の地表は測量できません。しかし、精度は高く基準点を設置することで誤差は1cm程度まで上がります。
■Zenmuse P1
さらに、写真測量用カメラジンバルのZenmuseP1はフルサイズのCMOSセンサ(Phontom4ProRTKは1インチ)を搭載しているので同じ広さの場所でもより、1回の撮影での範囲が広くなり同じ写真測量に最適なドローンPhantom4RTKより撮影時間が短くなります。
CMOSセンサのサイズの説明はこちらから。
しかも、画素数も大きいので、より細かい撮影が可能です。
実際に崖面(地層調査のため)をP1で撮影した 3D点群データは本当に写真のような3Dデータになっていました。
■Zenmuse L1
そしてメインのZenmuse L1です。
L1はレーザー測量専用のカメラジンバルです。
(レーザー測量については、デモフライトレポートその1をご覧ください。)
□デモフライトスタート
いよいよ飛行準備へ、まず電源を切らずカメラ交換が可能で、取り付け後にはちゃんとキャリブレーションも行ってくれます。
そして、コントロラー状に表示される写真地図で測量範囲を決定します。
広さに合わせて指導で飛行ルートが設定され、ミッションスタートです。
ZenmuseL1は190mの測定距離があるので地上からも距離をおいても十分に測量撮影が可能です。
□点群データ取得
レーザーが照射されながら少しずつ地形データの点群を取得していきます。
レーザー測量はカメラとの距離でレーザーの反射位置を取得しているので、基準点の設置も必要ありありません。
さらに一緒に撮影されたRGB(普通のカメラ)の色を載せてリアルタイムでトゥルーカラー点群を作っていきます。
リアルタイムなら測量の漏れも少なくなり手間を抑えられるということになります。
■マッピングソフトウェア「Terra」
最後にDJIのマッピングソフトウェアであるTerraです。
3Dデータを使うということでパソコンのマシンパワーは必要になりますが、その日の撮影した内容は数分で点群データにしてしまいました。
そのほかにも飛行ミッションを作成することもできるようですが、今回はその工程はなしです。
(高度も入れて、自動飛行が可能になります。)
ちなみにP1にはTerra プロ板が、L1にはエレクトリシティ(電力会社関連)版(1年間のライセンス)がセットになっているそうです。
■さいごに
今回感じたのは、やはりDJIは国産機より1段階先に進んでいるということです。
実際に現場の飛行することを想定した機体だということを感じました。
また、こんな機会を作りながら皆さんに情報を提供できるようにしてまいります。